ざまア見ろと向ける顔の中の岩盤       十四世根岸川柳

存在が剥き出しになる、とはよく使われる言い方で、詩の魅力のひとつにそれがあると思いもするのだが、ここまでゴツンと剥き出しを感じさせられることもないと思う。「ざまア見ろと向ける」とは勝ち誇った者が自分より下になったと思った者への態度だが、そこで、表面の覆いをとっぱらって自分の顔に剥き出しになるのがこの句では「岩盤」である。これを「驕り」とか、「エゴイズムの醜さ」と読むのも可能(いかにも説教くさくなるが)。しかし、ここでは「岩盤」のゴツンという存在感が圧倒的であって、「驕り」や「エゴイズムの醜さ」さえも落ち切った在り方に付き当たる、そうした瞬間をこの句のように捉えられれば、詩か川柳かなんかはどうでもいい気もする。作者名の「十四世」は初代・柄井川柳からつづく「川柳」号の第14世ということ。ちなみに、十五世は脇屋川柳氏。

ざまア見ろと向ける顔の中の岩盤       十四世根岸川柳 への1件のフィードバック

  1. 平宗星 より:

    東京川柳会の平宗星です。14世川柳の作品を取り上げ、鑑賞いただき、ありがとうございました。上記の作品は、根岸川柳の作品集『考える葦』に収録されているもので、私の好きな根岸川柳作品です。

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