thrush song a few days before the thrush / Marlene Mountain




thrush song a few days before the thrush         Marlene Mountain



Ross, Bruce, ed. Haiku Moment: An Anthology of Contemporary North American Haiku. (Boston: Charles E. Tuttle Company, Inc., 1993)より。原句はすべて小文字。

英語俳句はだいたいの場合、3行で書かれるのですが、1行、2行、4行以上のパターンもあります。この句は1行haiku。thrushは「鶫(つぐみ)」。英語の詩にはよく出てくる鳥で、「歌姫」という意味がある、ということは、声を愛でる鳥ですね。日本でいうと、ウグイス、ホトトギス辺りに当たるでしょうか(でも、繁殖地のシベリアから南下してくるのは10月だそうですので、季語ととると秋になります)。句意は、つぐみの姿を見て、その数日前につぐみの声が聞こえていたのを思い出した。日本語訳すると、「つぐみの声して数日後につぐみ」というところでしょうか。

原句だと「before the thrush」まで読んで、前の部分に返る、その円環構造に「発見」の感じがうまく捉えられています。この英語での単語の並びからくる効果は日本語にそのまま移すのは難しい。しかし、日本語の短詩型が洗練してきた円環構造の面白みを、英語で見事に実現している好句とも言えます。「姿を見て、声を聞いたことを思い出す」というパターンはホトトギスが主題の和歌でありそう(とうか、読んだ気がします)が、そうした自然との交感を英語では新しい詩型であるhaikuで捉えて、瑞々しさが感じられる気がします。こういうのが、本当の意味で「翻訳」に当たるのかも。

一行英語俳句を、もう2句。


deep in my notebook lily pad floats away      Matsuo Allard


after the garden party the garden           Ruth Yarrow


lily pad は「(蓮などの)浮葉」。notebook の後にコンマを入れる感じで読んでみてください。garden partyは大きめの庭園で開かれる「園遊会」(日本語でこの語を使うことはまずないですが)。華やかなパーティーの後に残るからっぽの大きな庭園・・・。
2句とも、van den Heuvel, Cor, ed. The Haiku Anthology: Haiku and Senryu in English. 3rd edition. (New York: W.W. Norton, 1999)より。

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